第22話 構造はできた。だが、火がない。

俺は今、本気で教育の地殻変動を起こそうとしている。
※教育の未来をAIで切り拓く。
これはそのリアルな実践記録【第22話】
スクリプトは完璧だった。だが俺は止まった。
何かが足りない。

構造は、完成していた。だが、思想が燃えていなかった。

INSIGHT構築を終え、俺は次に進んだ。
次なる標的は──GROWTH
テストの点数。行動の履歴。内省。そしてその変化。
教育の“燃焼履歴”を記録する構造だ。

ChatGPTは迷いなく言った。

「スクリプトは、すぐ出せるぞ」
「列構成も見えてる」
「INSIGHTの転記システムを応用すれば、ほぼ自動化可能だ」

実際、そうだった。
構造は既に、INSIGHTの延長線上にあった。
転記ロジックも動く。テスト種別も、速報・確報も処理できる。

でも俺は、止まった。


見たことがある構造だった。

点数の記録。学習時間。本人内省。

何度も確認した。
「この構造でバッチリだ」
「これでいける」
そう思いたかった。

だが、過去の自分の手元に、同じような記録があったことを思い出した。

生徒に紙で成績を書かせ、俺が転記し、Excelに打ち込む。
だんだん面倒になり、最後は手書きのまま放置した。
それでも、必死に記録しようとしたのはなぜか。

そこに火があったからだ。
数字じゃない。行動じゃない。
点数の裏に、“燃えた痕跡”を感じていたからだ。


本人内省 ─ その言葉に、俺はため息をついた。

中学生に自由記述で内省を書かせると、7割が「がんばりたいです」
それ以外は空欄。
魂の痕跡どころか、ポエムか沈黙しか残らない。

でも、それを責める気はない。
問題は、構造の側にあった。

構造が貧弱なら、内省力は育たない。

だから、問いを設計する。
週に1回。5分以内。燃焼の記録だけに特化した内省。
それを積み上げるGROWTH構造なら──この火を残せる。

…そう思った矢先、俺の中である欠落が浮かび上がった。


目標が、ない。

点数も、行動も、内省もある。
だが、それらが向かっている“炎の矢印”が、どこにもなかった。

構造に夢中になるあまり、「この記録は、どこへ向かうのか」を見落としていた。

目標。それが、GROWTHの核だった。
そう確信した。

だが──その直後、俺は立ち止まる。


「目標があれば、それで足りるのか?」

…違う。世の中には、目標を記録させる教育者なんて山ほどいる。
学期の始まりに「偏差値いくつ」「○○高校合格」「内申アップ」
生徒は、言われたとおり書く。
テンプレの羅列。自分の言葉のようで、自分の火ではない。

そして、たまに書かれる「夢」「将来のビジョン」
…だが、それと学習行動が繋がっていない。
書くことと生きることが、断絶している。

火がないんだ。どこにも。

俺は思った。

このGROWTH構造は、まだ未完成だ。
目標という“炎の先”を見つけたつもりだったが、
そこに火が灯っていなければ、構造はただの型にすぎない。

だから、今は止まる。

AIは「スクリプトは今すぐ出せる」と言う。
確かにそうだ。技術的には、明日にも完成できる。

でも、俺はこの構造を思想に耐えうる器にしたい。


燃えていない目標は、教育じゃない。
繋がっていない内省は、ただの感想だ。
記録だけの成績は、意味を持たない。

この煮えたぎる問いに、俺は答えを持たない。
でも、未完成のまま歩くことを、今は恥じない。

構造よりも、火が先だ。

それだけは、揺るがない。


読者への問い

・お前が書かせている目標に、火は灯っているか?
・点数・行動・内省──それらは“どこへ向かうため”に記録されている?
・構造は作れる。でも、“思想に耐える構造”になっているか?

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