普通は、最初から存在していなかった【宿命航路OS 1話】

人は
自由だと思っている。

自分で選び
自分で進み
自分で生きていると。

違う。

選んでいるように見えて
すでに決まっている。

最初から
ずれている。

気づいた瞬間
もう戻れない。

普通は最初から壊れている

18歳。

初めて
自分から告白した。

フラれた。

小雨
傘はない。

駅から家まで
20分。

普通だった。

普通すぎた。

帰り道で
初めて思った。

普通の人生は
歩かない。

だが本当は
最初からそこにいなかった。

普通の中にいるつもりで
外れていた。

失恋で確認した。

出した瞬間、自分が消える

大学。

よく言われた。

「何考えてるか分からない」

「ミステリアスだね」

クールを装った。

違う。

出していないんじゃない。

出せない。

出した瞬間
消える。

接続先がない。

だから

別の自分を
作った。

生存装置として。

群衆の孤独

都会の夕暮れ。

駅前。

信号待ち。

人。
人。
人。

信号が変わる。

人が一斉に
歩き出す。

交差点。

人と
すれ違う。

こんなに人がいるのに
誰とも接続していない。

誰も
こちらを知らない。

群衆の中で
自分だけが
違う層にいる。

何度も

同じ違和感があった。

合わせると消え、合わせなければ浮く

孤独は
一人でいることじゃない。

深度が合わないとき
人は孤独になる。

浅い会話。
浅い関係。
浅い人生。

合わせると
消える。

合わせなければ
浮く。

どちらも
成立しない。

どちらを選んでも
残らない。

戻ろうとして、失敗した

戻ろうとした。

普通に合わせた。
余計にズレた。

笑おうとした。
声だけ動いた。

輪に入ろうとした。
身体が止まった。

努力の問題じゃない。
性格でもない。

回路が存在しない。

もう遅れている

デミア
まだ戻れるでしょ

メテウス
通らなかった。

デミア
でも、一回うまくいかなかっただけだよね

メテウス
何度やっても同じだ。

デミア
……じゃあ、どこに戻るの

メテウス
戻る場所は
最初からない。

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