人は
自由だと思っている。
自分で選び
自分で進み
自分で生きていると。
違う。
選んでいるように見えて
すでに決まっている。
最初から
ずれている。
気づいた瞬間
もう戻れない。
■ 普通は最初から壊れている
18歳。
初めて
自分から告白した。
フラれた。
小雨。
傘はない。
駅から家まで
20分。
普通だった。
普通すぎた。
帰り道で
初めて思った。
普通の人生は
歩かない。
だが本当は
最初からそこにいなかった。
普通の中にいるつもりで
外れていた。
失恋で確認した。
■ 出した瞬間、自分が消える
大学。
よく言われた。
「何考えてるか分からない」
「ミステリアスだね」
クールを装った。
違う。
出していないんじゃない。
出せない。
出した瞬間
消える。
接続先がない。
だから
別の自分を
作った。
生存装置として。
■ 群衆の孤独
都会の夕暮れ。
駅前。
信号待ち。
人。
人。
人。
信号が変わる。
人が一斉に
歩き出す。
交差点。
人と
すれ違う。
こんなに人がいるのに
誰とも接続していない。
誰も
こちらを知らない。
群衆の中で
自分だけが
違う層にいる。
何度も
同じ違和感があった。
■ 合わせると消え、合わせなければ浮く
孤独は
一人でいることじゃない。
深度が合わないとき
人は孤独になる。
浅い会話。
浅い関係。
浅い人生。
合わせると
消える。
合わせなければ
浮く。
どちらも
成立しない。
どちらを選んでも
残らない。
■ 戻ろうとして、失敗した
戻ろうとした。
普通に合わせた。
余計にズレた。
笑おうとした。
声だけ動いた。
輪に入ろうとした。
身体が止まった。
努力の問題じゃない。
性格でもない。
回路が存在しない。
■ もう遅れている
デミアまだ戻れるでしょ
メテウス通らなかった。
デミアでも、一回うまくいかなかっただけだよね
メテウス何度やっても同じだ。
デミア……じゃあ、どこに戻るの
メテウス戻る場所は
最初からない。
最初からない。

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