言葉は、最初から通っていなかった【宿命航路OS 2話】

同じ言葉を使っている。

だが

最初から
意味は存在していない。

言葉だけが
往復している。

■ 同じ言葉は、最初から通っていない

20歳。バイト先。

4人。

話している。
笑っている。

会話は成立している。
だが、同じ世界にいない。

同じ言葉を使っている。
だが、違うものを指している。

言語化できなかった。

何かが
決定的に
違っていた。

■ 会話は、最初から通っていない

一緒にいる。
だが
一緒にいない。

時間を通過させるための場所。

話したいこともない。
聞きたいこともない。

言葉は
どこにも向かっていない。

会話が
音になる。

10人と関係を持っていた男。

全部
身体だけだった。

周囲は言う。
経験が豊富だと。

だが一度も触れていない。

関係はあった。
接続はなかった。

■ 合わせた瞬間、自分が消えた

合わせようとした。

流行り。
軽い話題。
笑い。

合わせた瞬間、
消えた。

口だけ動いた。
声は出た。

心と身体が離れていった。

相手も笑った。

だが、何も通っていない。

回路は
最初からない。

一音で終わった

話した。

どう生きるか。
どう在るか。

反応を見た。

ふっ

それだけだった。

いつもの
軽さで返された。

最初から
何も起きていない。

会話は続く。だが何も接続していない

孤独。

言葉があっても
通わない。

それでも
会話は続く。

“それでも会話は成立する。”

デミア
ねえ…それでも
みんな普通に笑ってるよ?
それって
壊れてないんじゃないの…?

メテウス
壊れているのは
意味だ。

デミア
でも…
それで関係は続いてるよ?

メテウス
続いているのは
接触だ。
接続じゃない。

デミア
……じゃあ
本気で話せばいいの?

メテウス
通らない。
回路がない。

デミア
……じゃあ
どうすればいいの

メテウス
もう分かれている。

 

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