会話は、最初から終わっていた【宿命航路OS 3話】

人は語り合っているふりをしていた。

だが
何も共有されていなかった。

会話は最初から
存在していなかった。

交換されない

22歳。

夜の街。
雑談。
笑い。

誰と誰が付き合っているか。
誰がかわいいか。

聞こえている。
だが
入ってこない。

会話は成立している。
だが
何も起きていない。

接触はある。
交換がない。

ただ
交換される回路が
最初から存在していない。

重さを渡した

ある日。
俺は出した。

失恋の話。

話さずにはいられなかった。
一人では抱えられなかった。

この痛み。

渡したのは
言葉じゃない。

重さだった。

一行で潰された

返ってきた。

「結局、ヤッたの?」

その瞬間
全部消えた。

意味が消えた。
関係が消えた。

潰されたんじゃない。

出した時点で
終わっていた。

さらに聞かれた。

「何人と付き合った?」

俺は答えない。

数字に変換された瞬間
全部終わる。

回路が存在していない

重さを渡す。
軽さで返る。

回路が存在していない。

だから
出した瞬間に決まる。

通るか
圧縮されるか。

最初から分かれている。

通る回路を持つ個体と
持たない個体に。

選んでいるように見えて
最初から決まっている。

終わっている

会話は成立する。
関係も続く。

だが

共有は
最初から発生していない。

始まった時点で
終わっている。

デミア
でも…それでも
一緒に笑ってるよ?
それって意味ないの…?

メテウス
意味はある。
だが
共有じゃない。

デミア
じゃあ…どうすれば
通るの?

メテウス
通らない。
だから今も
笑っている。

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